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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第26章 小さな愛を育つ 〔山姥切国広〕


「主の人生は主のものだ。俺たちの事より自分の事を考えろ」

俺の言葉に突っぱねられたものを感じたのだろうか、主は「違う」と叫んだ。

「私はっ、みんなから離れて、途中で引退するなんて考えてない!」

一瞬、次の言葉を呑み込んで、そして、言った。

「だから、成長が怖いんだってば」



主の言った意味がわからず、俺は眉を寄せる。

「私はおんなで、刀剣のみなさんはおとこでしょう?だから、その…」

大声で話したものの、すぐ小声になる主は、もじもじとしながらようやく残りの、たぶん本当に言いたい事を言った。



「…もし…私が刀の皆さんの誰かと、その…恋を、したら…」

また口を一度閉ざした主は、恥ずかしいのか顔を赤くしながら言う。

「その…男女の付き合いとかになったら…その…恥ずかしい…」



尻つぼみに言葉が小さくなっていく主の様子と主の言葉に、俺は納得した。

「あぁ、男女の関係になるのが恥ずかしいのか」

俺がさらりと言ったものだから、主は目を向いて怒る。

「そっ、そんなはっきりきっぱり言う事ないでしょう。私は勇気を出して言ったのに…」

言われた事に俺は首を傾げる。

「何故ちゅうちょするのだ?主がどの刀と恋をして互いが好きであれば、睦み合うのは自然な事だろう?」
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