第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
「ああ、そうだ。別部隊がおまえたちの本体を折りに行っている」
すると離れたところにいた鶴丸が絶叫した。
「くそ…っ、今度は俺か…っ」
見ると鶴丸の頭や足先や手先が消えかかっていた。
「本体を折るなんて…聞いてないぞ…っ」
鶴丸はそう言い残し、ざらりと全身を消していった。
二振りの刀剣が目の前で消えた為、奴らは本体を折られているのが事実と知り、急に俺たちに命乞いをしてきた。
「おい…悪かったよ、あんたたちの主にいたずらして。これからはここで静かに過ごしていくからもう止めてくれ」
その姿に堀川が冷たく言い放つ。
「懇願しても無駄だよ。ぼくたちはあなたたちが主にした事が許せないんだ。主たちがこれから平穏に過ごしていくには、あなたたちの存在を消す事と決めたから」
それを言うと同時に堀川は、命乞いをしてきた刀剣をばさりと右から左へ腹をまっぷたつに斬り付けた。
その刀剣は目を見開いたまま胴体をふたつにされ、周囲に赤い血を撒き散らしながら倒れた。
「堀川…」
俺が声を掛けると堀川はいつもの穏やかな表情とは違う、戦闘的な笑みを浮かべた。
「血が滾るね。こいつら死ねば良いんだ」
血を全身に浴びた堀川の姿は、恐ろしいものの何故か美しく思う。