第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
相手もすぐ抜刀し、赤い目をぎらつかせながら俺たちと対峙する。
獅子王は骨喰を右肩から左の腹へ向けて斬り結び、骨喰はヒトと同じように赤い血を吹き出させる。
「ぐ…はぁ…」
口からも血をごぶごぶと溢れさせながらも、骨喰は赤い瞳の炎を消す事なく、獅子王へ傷付きながらも真剣必殺で斬りかかる。
「…おお…っと」
たぶん経験した事のないだろう骨喰の真剣必殺のちからに獅子王はよろけ、そこを狙ったように骨喰は膝下を狙って刀を振るう。
ところが。
骨喰がそこで刀を手から離し断末魔のように叫び出す。
「うぎゃぁぁぁぁぁ」
何だ、と全振りが骨喰を見ると、刀を落とした骨喰はからだを両手で抱き締めつつ、ぼろぼろと足先や頭の先から砂のように姿が消えており、俺たちは呆然とそのままその姿が全て消えていくのを黙ってみていた。
「…どういう…ことだ…」
長谷部が目を見開き、消えた骨喰の居た場所を凝視しつつ言う。
「…本体を折ったのさ」
和泉守が言い放つ。
「…本体…俺たちのか…?」
長谷部が信じられないといった表情で和泉守を見る。