第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
安定が呟くと、俺も確かにそうだなと頷いた。
「よし、じゃ、行くか」
日本号の掛け声で全振り、別館の入口に向かって歩き、入口のドアをそのまま日本号がばん、と大きく開けた。
相手側も俺たちの気配に気付いていたらしく、開けた入口から刀剣たちがわらわらと出てきた。
「なんだ、おまえたち?」
中にいたボスが長谷部らしいが、俺たちの本丸にいる長谷部と形相が違い、目は吊り上がり赤い色を帯び、いかにも禍々しい雰囲気を醸し出していた。
他の中から出てきた刀剣たちも、皆、赤い目をしており、成程これなら区別はしやすいと俺たちは瞬時に思う。
「おまえたちが俺らの主にした事が許せなくてな、復讐しにきてやったぜ」
日本号が高らかに声を上げ、持っている槍をどん、と一度下に叩き付ける。
すると敵の長谷部がにやりと笑う。
「…あぁ、あの人間のおんなたちを主にしているやつらか…霊力が低いものの、からだはうまかったな、なぁ?」
長谷部が他の刀剣に最後に「なぁ」と問うと、奴らも笑いながら「ああ、良かったな」「また抱かせろよ」と同意し頷いていた。
俺たちはその言葉で充分だった。
「貴様ら、このまま刀剣男士としていられると思うなよ」
獅子王が真っ先に抜刀して、端にいた骨喰に斬りかかると同時に、俺たちも抜刀し目の前の刀剣たちに斬りかかって行った。