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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕


「大倶利伽羅さんや明石さんは知ってますか?本体を折った時の刀剣男士の様を」

物吉がばっきりと一振りの刀を折りながら、大倶利伽羅や明石に尋ねる。

「俺は知らん」

「知りまへんなぁ」

大倶利伽羅があっさり答え、明石も同様に答える。

「後であちらへ行った皆さんに伺うと良いですよ」

前田が一振りを折りながら答えたので、それを聞いた他の短刀は了解したとばかりに頷き、また続きを始めた。

「…本体だけで良かったな、ここ」

大倶利伽羅が刀を折るところを見つめながら苦々しい表情で言い、明石はその言葉の意図がくみ取れず、隣の大倶利伽羅をちらりと横目で見る。

「刀剣男士がいたら、自分が折られるところを見ながら自身がどうかなるのを見なくてはならないだろう?同じ刀剣男士としてそういうところ、見たいか?」

明石が見ているのに気付いて大倶利伽羅が言うと、明石はそれを想像して顔をしかめた。

「ちょっとそれは嫌ですのん」

「だから本体だけでここは良かった、と言っている」

大倶利伽羅の言葉を理解した明石は、その刀剣男士と戦っているもう一つの組が何を見る事になるのか、考えない事にした。



一方、結界の中に入った俺たちは、おどろおどろしい雰囲気の別館を目の前に見ていた。

「おやぁ、ずいぶん良い雰囲気なところだねぇ。なんて青江さんあたりが言いそうだね」
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