第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
「だからこそ、そいつらを折ってしまってくれ」
大倶利伽羅が言うと愛染がさらりと言い放つ。
「よーし、ホタルぅ、何本折れるか競争するぞ」
「いいよ、競争しよう」
「あ、俺もそれに入れて」
厚が競争相手に入ってき、愛染は勿論、とにっと笑う。
「あ、ずるい、俺も入れて」
「ぼくもやります」
後藤と今剣も入ってきて、何をしにきたのかわからなくなってしまいそうになる。
「さぁさ、競争は置いておいて、見付からないうちに、はよ折ってしまいまひょ」
ぱん、と一度大きく手を叩いて、明石が短刀たちをやるべき事を思い出させる。
短刀たちは部屋の中でばらけ、それぞれ飾られた刀剣を手に取った。
「えい!」
最初にちからの有る蛍丸がばきりと音を立ててたてながら、手にしていた刀を折った。
そしてそれを見た他の短刀たちも、ばきりばきりと折り出す。
「折った時ってあっちはどうなってるんだろね」
乱が首を傾げながら言い、側にいた後藤が答える。
「さぁね。血を吹き出して倒れるって事はヒトではないから考えにくいし、そのまま『うおおお』とか叫んで消えたりして?」