第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
本体を折る部隊は静かに階段を降り、地下へ到着する。
確かに階段を下りたところに監視カメラが有り、小さい電子音と共に動作しているのがわかった。
立ち止まり声が掛かるのを待っていると、しばらくして館内放送らしいアナウンスが聞こえてきた。
「カメラ不通。動作OK」
たったこれだけだが充分だった。
大倶利伽羅が先頭に立ち、階段から廊下に出て目的の部屋へ進み出す。
後ろから他の刀剣たちが無言で一列で同じ早さで進み、長義から聞いた部屋の前で大倶利伽羅がぴたりと足を止めた。
「短刀たちが主体で本体を折る。俺と明石…あんたとで入口付近で待機して、もし敵が斬り込んできたら相手をする。良いな」
唸るような低い声で大倶利伽羅が言うと、明らかに明石が嫌な顔をするが、ここで文句を言って揉めてもしかたないと思ったのか明石は頷いた。
「りょーかい」
カチリとドアから小さい音がし、長義が操作したのかドアの鍵が開いた。
大倶利伽羅がドアノブを掴み、ゆっくりと回してドアを開く。
開きながらそっと覗くと、そこには博物館のように刀剣がきちんと並べられて飾られている。
「…禍々しい気配がするぅ」
乱が足を部屋に運びながら、自分の肩を反対側の腕で抱き込むような姿勢をとる。