第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
こんのすけが言って、管狐たちのちからで時の政府へ扉が開かれる。
演練で何度か行った事のある場所に、安定が一番最初に足を踏み込み、続いて俺が扉を越える。
そうして全員が扉をくぐり、時の政府へと足を踏み入れた。
「地下へ行かれる皆様が地下まで降りたところで、長義殿が監視カメラを操作するとの事です。ですから地下へ行かれてもすぐ移動をなさらず、移動可能の声が掛かるまでお待ちください」
「声が掛かるまで、地下まで降りたら待てばいいんだな」
大倶利伽羅が確認をし、こんのすけは「さようです」と答える。
「刀剣と闘う皆様は、結界を解除する必要がありますので、私共が一緒に参ります」
こんのすけの言葉に、乱が質問する。
「ねぇ、きみたちを疑うようで悪いんだけど、きみたちだけで結界は解除出来るの?」
こんのすけは答える。
「いいえ、私共三匹では結界は解除出来ません。先に他の管狐たちが待機しております」
「じゃ、ここで別れる。そちらはそちらで頼んだぞ」
長曽祢さんが声を掛けると、前田が礼儀正しく答えた。
「かしこまりました。ではこちらも参りましょう」
「こっちも行くぞ」
長曽祢さんの合図で別館へ移動するが、こんのすけの案内で着いたところは、目の前に何もないただの森にしか見えなかった。