第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
「敵いませんのん」
明石は苦笑しながら言うものの、内心はそこまで嫌がってはいないだろうと思わせる表情だった。
愛染と蛍丸は明石に買わせたのか、出陣前とは思えない表情で菓子の袋を持って満面の笑みをこぼしながら食べていた。
「愛染こぼしてまっせ」
明石があれこれ言う割りにちゃんと面倒を見ている姿に、俺たちは顔をほころばせながら愛染と蛍丸が菓子を食べ終えるのを待った。
「お待たせー」
呑気な様子で蛍丸が言うと、堀川が声を掛ける。
「口の横にお菓子のくずがついてるよ」
そう言って蛍丸の口の横を、堀川の手がぱぱっと払う。
「ありがと」
蛍丸の笑顔にこれから出陣するとは思えない様子だが、他の本丸の面々が集まってきたのを見て、俺たちは気持ちを切り替える。
「集まってきたな」
こんのすけたちも姿を見せた。
「皆様、お集まりでしょうか」
俺が今剣と宗三をそれぞれ全員集まっているか聞くと、両方が頷いた。
「では今から私共で、時の政府への扉を開きます」