第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
宗三も続いて口を開いた。
「ぼくのところは、本体を折るのが前田、乱、厚、後藤。闘うのは陸奥、朝尊、肥前、江雪、宗三でいきます」
「なかなか良い面構えだな」
長曽祢さんが面々を聞いてにやりとする中、こんのすけが発言した。
「では皆様、どなたが行かれるか決まった事のようですし、当日ここに集合をお願いします。私共管狐が時の政府への扉を開きます。管狐の開く扉なら、時の政府に怪しまれる事なくあちらに行く事が可能です」
「そうなんだ、頼むね、こんのすけ」
「先日いただいた油揚げが美味しかったので、特上の油揚げは更に美味しいのでしょうね。楽しみにしております」
こんのすけの発言に、集まっていた刀剣たちはくすりと小さく笑い、解散となった。
俺と長曽祢さんは、また万屋行きの理由付けの為に菓子を買い、本丸へ戻ってから粟田口へ差し入れる。
「これはありがとうございます。弟たちが喜びます」
一期一振が部屋に居り、菓子を受け取り礼を言うものの、何故俺たちが粟田口に菓子を買ってきたか理由がわからず、一期は何となく腑に落ちない表情をしていた。
「いつも細かい手伝いをしてもらっているから、その御礼だよ」
俺がそう言うと、一期は得心したのかしていないのかわからないものの、そうですかと言って受け取った。
そしていよいよ襲撃の前日を迎え、行く面々は何となく朝から落ち着かない雰囲気を漂わせて一部の聡い刀剣に怪しまれるものの、「そろそろ遠征に出してもらえるかなと思うと、何となく落ち着かないんだ」と誤魔化し、その夜を迎えた。