第3章 Je Te Veux 〔大倶利伽羅/R18〕
「…雅」
また、名前を大倶利伽羅から呼ばれ、私は風呂の中で彼を抱き締める。
「…大倶利伽羅…」
抱き締めた大倶利伽羅の足のつけねに主張したものがあって、私のおなかに当たる。
「…雅」
切ない声で名前を呼ばれ、大倶利伽羅が何を望んでいるのか、言われなくても、わかる。
「…いいよ、好きに、して…」
「…本当に…良い、のか…?」
最後の最後になって私に遠慮するのか、ちゅうちょする大倶利伽羅。
「いいよ…大倶利伽羅…好きにして…」
貴方というおとこと、私というおんな。
近侍としていつもそばにいる貴方に、いつしか好意を持っていた私だもの、抱いて欲しい思いは頭のどこかに芽生えていたんだと思うの。
私は今もためらう大倶利伽羅に言う。
「…あのね、大倶利伽羅、好きなの…だから、最後まで…抱いて…」
私の告白に目を少し見開き、本当かと言わんばかりに見つめる大倶利伽羅。
「…俺も…雅には…今迄持った事の無い思いがある…」
「…うん…もっと名前、呼んで…?」
「…雅…」