第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
「よく見ておけ。本体の場所だ」
全員で食い入るように画面を見る。
階段を降り、地下へ行き、長い廊下を指は動き、ぴたりと止まる。
「ここだ。この部屋に刀剣の本体が隠されている。ただし地下は、階段を下りたところに監視カメラが作動していて、隠れる場所が無い」
「じゃあどうやって…」
「だから俺が居る」
長義は俺たちの顔を見回した。
「俺は、政府の監視が緩くなる日が有るのを知る事が出来る。だからその日がわかったらこんのすけに教える。監視が緩いうえに、俺が当日の監視役としていれば、監視カメラなど機能を使えなくする事が出来る。結界を緩めるのは管狐達が請け負うと言っている」
俺たちがこんのすけを見ると、こんのすけは真剣な顔で頷いた。
「特上油揚げのためです」
「…わかった。無事終わったら、特上油揚げを一匹に二枚用意しよう」
俺がそれくらいはやらないとな、と言うとこんのすけは喜ぶ。
「ありがとうございます、がんばります」
「決まりだ。では俺は戻る。あまり時を置くと、政府内で怪しまれるからな。ではこんのすけ、後は任せる」
「かしこまりました、長義殿」
目的の事を話し終えると、山姥切長義はすぐ立ち上がり、政府へ戻って行った。