第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
「これは本来政府外には持ち出し禁止のものだ。ちょっと手を入れて持ち出した。これを見てくれ」
コンピュータを起動させ、俺たちに見せたい画面を出したらしく、コンピュータの画面をこちらに向ける。
「これは…」
和泉守が問うと、長義は答える。
「政府の見取り図。外部には一切見せない場所まで全部書いてあるものだ」
手袋をした細い指が一点を指差す。
「ここが審神者やきみたち刀剣が演練などで来た時に入ってくる入口。ここから入って演練場はこっちへ行く」
指が動き、演練に行った事のある安定が場所を思い出したらしく、一人頷く。
「例の刀剣たちはこの建物には居ない」
指が動き、入口から出ると離れたところへ進み止まる。
「ここに別館が有る。この別館に結界を張って出られないようにしている。何故当時、結界が剥がれたか聞いているか?」
「政府の中の能力者のちからが衰えてきていて、結界が弱くなっているところを破られた、と聞いたが…」
結界について聞かれ、長曽祢さんが答えると、長義はそうだと頭を縦に動かした。
「刀剣たちは今も同じところに閉じ込められている。しかし能力の高い審神者たちを呼んで、結界を張り直している。だから今はとりあえず破られる事はない」
画面の長義の指がまた入口へ動き、先程と違う場所へ指が動く。