第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
「それでは長義殿より日にちが決まりましたら、連絡に参ります」
こんのすけはそう言って消えようとしたが、俺は引き留め、伝言を頼む。
「そうしたら他本丸へこの事を話し、それぞれ刀剣と闘う為にひと部隊の準備、それと本体を折るのに時間は掛けられないから二~三振りを闘うのとは別に決めておいて欲しい、そう伝えてくれる?」
「かしこまりました、伝言を承りました」
そしてこんのすけは消え、俺たちも解散した。
「…そう…政府関係者全てが、あれを知っている訳ではないのね…」
俺は知った事を主に全て伝える。
主本人が一番の当事者なのだから、俺としては状況を苦しくても把握して欲しいと思ったからだ。
静かな表情で俺から政府の事を聞いた主は、表情と同じように静かな口調で言った。
「私たちが襲われたのも無かった事にして、襲った刀剣も何事も無く今迄通り…加州くん、私たちが審神者としての能力低いから、そんな扱いされるのかなぁ」
泣き笑いのような表情をする主を、俺は引き寄せ抱き締める。
俺の胸に抱き締められる主は、しばらくそのまま無言でいたものの、顔をあげて言った。
「…加州くん…抱いて…」
「…主…」
俺が驚いて胸の中にいる主の顔を見つめると、主は俺の胸に顔をくっつけて言った。
「…忘れたい…あの嫌な感触…でも…加州くん、私は穢れているから…私はもう…抱いてもらえない?」