第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
俺が問うと、安定が腕を組んで言った。
「念のため、この本丸の守りも必要だよね。そうすると長谷部さんとか燭台切さんとか大倶利伽羅さんなんかは残ってもらったほうが良いかな。一期さんも粟田口として仕切ってもらわないとならないだろうし」
「長谷部は誘わんほうが良いだろう。あいつに声を掛けたら、今すぐ討ち入りに行くと騒ぎ立てかねない」
「確かに。機動力もトップだし、飛び出しそうだ」
長曽祢さんの言葉に、ぶっ、と安定が吹き出す。
「そうすると…来派の明石、愛染、蛍丸辺りはどうだ?」
和泉守の提案に、ああ、と俺は頷く。
「人数もちょうど良いし、その三人に頼むか。明石がめんどくさいとか言い出しそうだが」
「そうしたら、愛染と蛍丸にがんばって誘ってもらおう」
和泉守の言に想像して、長曽祢さんすら吹き出した。
「よし、決まったな。後は管狐の報告次第で次の会合で決める内容が動くぞ」
なかなか本体を見付けられずにいたものの、とうとう格納されている場所を特定出来た、とこんのすけがようやく姿を見せた。
「やっぱり相当てこずったか」
和泉守の言葉にこんのすけは頭を左右に振る。
「いえ、違うのです。実は政府関係者が一人、審神者さまがたの事を知り、ちからを貸してくれました」
「どういう事だ?政府関係者は全員、あの事を知っている訳ではないのか?」