第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
「いまつるぎとにほんごうです、よろしくおねがいします」
ぺこりと礼をする今剣とは正反対に、日本号は宗三同様、こちらを疑うような眼差しで俺たちを見ていた。
「ここでは話しも出来ん。こっちだ」
長曽祢さんが仕切ってくれ、万屋の奥の個室を借り、六振りで座卓を囲んだ。
改めてこの六振りで自己紹介をし、俺が話し出した。
「先日、当本丸の主が政府から審神者の健康診断と言われ出掛けた。帰宅が遅く、戻ってきたところ、様子がおかしい。問い詰めると、政府管理の刀剣に健康診断会場にいた審神者たちが襲われたという。政府より襲った刀剣は刀解したとの事だったが、実際は刀解しておらずそれまで通りに過ごしていると、管狐の調べでわかっている。それに政府は審神者に対しても、報酬と資源の一年間の増収を言ってきただけで、それ以上の対応は無しときている。俺や長曽祢さんはその刀剣たちが許せない。だからその刀剣たちを回復出来ないくらいに倒したいし、出来れば本体も折ってしまいたい、そう思っている」
一気に何をどうしたいかまで話し、そして一呼吸置いて口を再度開く。
「これは当本丸の考えだけれど、他の本丸ではどうしたいか、聞きたい」
日本号が話す。
「俺らのところもほぼ同じだぜ。主に嫌な思いをさせたやつらを、俺としては本体も折ってしまいたいがな」
前田や宗三も同様だと言う。
「決定だな」
長曽祢さんが言い、次の会合の日時を決め、今日は解散となった。
「あまり時間がかかると、主から変に思われますからね」