第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
安定もこんのすけを持ち上げる。
「引き続き本体を探します。では万屋でのお話しがつつがなく終わりますように」
そう言い残しこんのすけが消え、俺はこの本丸から万屋には俺と長曽祢さんで行く、と安定に言うと、安定はどうして自分ではないのかと頬を膨らませた。
「その日は安定は演錬が入っているだろう?俺が空いている日で決めたから仕方ないよ」
「もう、清光、次は俺も連れて行ってよ」
安定に言われ俺は「悪かったよ」と謝り、長曽祢さんに万屋行きをお願いして了解を得た。
そして万屋へ行く日が来た。
主には買い物が有るから二人で行ってくる、と断りを入れて長曽祢さんと出向く。
万屋へ到着すると宗三と前田が既に来店していて、二人で買い物の振りをしていた。
「待たせた」
こちらが声を掛けると前田が挨拶してきた。
「管狐から連絡をいただきました、ありがとうございます。当本丸の近侍である宗三左文字と前田藤四郎です」
「こっち本丸の近侍の加州清光、こちらは近侍というより俺の相談相手の長曽祢虎徹」
「よろしくお願いします」
優美な雰囲気を醸し出す宗三は、しかしその目線は、厳しくこちらを値踏みしているのがわかった。
「ああ、もういらしてたのですね」
声がし、そちらを見ると、今剣と日本号の二振りが立っていた。