第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
「ありがとう。無茶はしない、それは約束する」
「うん…無理しちゃ嫌だよ…」
主も俺の胸に顔をくっつけてきて小さく言い、俺は主の額に軽くキスをしたものの、それすらぴしりとからだを瞬時に硬直させ、主の心の傷が深い事を知ろしめた。
それからまた数日して、こんのすけが俺の前に表れる。
「返事をいただいて参りました」
「ありがとう。どうだって?」
俺の問いにこんのすけは答える。
「まず近侍が今剣殿の審神者さまのところです。今剣殿やその次に近侍を務められる日本号殿は、ご指定の日時で了解した、とお返事をいただきました。万屋に当日いらっしゃるのは、この今剣殿と日本号殿です。そしてもうおひとかたのところも同様でございます。そちらの本丸からは、宗三殿と前田殿が当日いらっしゃるとの事です」
「じゃあ両本丸とも同意してくれたんだ」
一緒に居る安定が声を弾ませる。
「両本丸の刀剣殿も政府の対応には非常に不愉快に思われています。私たち管狐は政府管轄ですので、何も言える立場にはございませんが、やはり今回の対応は審神者さまがたがお気の毒という考えが多く、今回話しをしていない本丸担当の管狐も実は多く動いてまして、件の刀の本体もその管狐たちが探してくれているのです」
「わかった。終わったら、手伝ってくれた全管狐に、特上油揚げを贈るよ」
俺が言うとこんのすけの顔がぱあっと輝き、嬉しそうに目を細める。
「それは嬉しいですね、みんなに伝えてがんばらせます」
「せいぜい頼むよ、こんのすけ」