第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
俺も主を抱き締めつつ言う。
「俺も雅が大好きだよ」
守りたい、守らなければ、この夜、俺は強く思った。
数日して、こんのすけが俺の前に表れた。
「加州殿、よろしいですか?」
「ああ、今は空いているのは長曽祢さんか…一緒にそちらに行って話しをしよう」
俺は長曽祢さんの部屋へこんのすけを連れていくと、長曽祢さんは座卓に新聞を広げて読んでいるところだった。
「長曽祢さん、今いい?」
「おう、いいぞ…っと政府の管狐も一緒という事は、あの件の事か?」
笑顔でこちらを見た長曽祢さんは、こんのすけに気付くと表情を引き締めた。
俺は頷き、こんのすけと部屋へ入ると、そっと襖を閉めた。
座卓に俺も座ると、こんのすけが俺と長曽祢さんの間にちょこんと座って見上げた。
「他の管狐と協力して、私たちの出来る範囲で調べました。ご報告します」
こんのすけは神妙な表情で言った。
「まず、審神者さまがたを襲った刀剣たちですが、刀解されていませんでした」
「一振りもか?」
長曽祢さんが聞いた途端、まゆをひそめて問う。
「はい、一振りたりとて刀解されておりません。今迄同様の生活を送っているようです」