• テキストサイズ

刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕


「美味しいものじゃないっていうのに…無理に呑まなくても…」

俺が焦って言うと、呑み終えた雅は口を手の甲で拭いながらも頭を左右に振った。

「…加州くんのなら…平気、だよ…」

軽く咳をしつつ、俺のほうを見て小さく笑みを浮かべる雅を見て、俺はそのまま彼女を両手で引き寄せ抱き締める。

「雅、本当に可愛い…」

「加州くん…好き…」

俺に愛を伝えて来る主が愛しくてならないし、刀の俺がこんな気持ちを持つなんて、他の付喪神が知ったら笑うかもしれない。

でも人を愛して、彼女の最期まで彼女を守りたいと思うのはおかしいだろうか。

だから、彼女を辱めた刀剣が、誰であろうと許せない。

俺は夜の暗闇で自分の紅い爪を見、やけにその闇の中で赤く見える爪に、血を思い起こす。

復讐のため、同じ刀剣を斬り裂いたら、やはり血しぶきがあがるのだろうか。

俺のからだに、斬った瞬間飛び散る相手の血、それを想像すると俺は更に興奮する。

しかし今はそれを考えるのは止めよう。

目の前に抱く俺の可愛い主と再度横になる。

「もう少し寝ようか、夜明けまでにはまだ早いよ」

俺が声を掛け、主をもう一度抱き締めると、主が俺を暗い中見つめて俺に言った。

「…加州くん…大好き…」
/ 790ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp