第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
俺の問いにこんのすけはじっと俺を見て、そして言う。
「…正直に申し上げます。その可能性はあります」
俺たちは全員で顔を見合わせる。
「表だっては審神者さまがたの機嫌を損ねないよう、刀解したと発表したものの、その場面を実際見てはおりませんので、隠したとしてもおかしくはありません」
俺はこんのすけに頼む。
「こんのすけ、何とか事実を掴んで欲しい。刀解されているならそれはそれで解決したという事だが、もし生かされて隠されているなら…」
「…なら?」
俺の言葉尻を捕らえてこんのすけが聞く。
「決まってる、そいつら俺たちが殺す。とは言っても、本体を折れないから、顕現した姿を痛めつけるだけしか出来ないがな」
和泉守が更に言葉尻を掴んで言うと、こんのすけが表情をくもらせつつも言った。
「皆さまのお怒りはごもっともですし、他の本丸も私同様に担当の管狐を呼び出して、状況を聞いているところもあるのは存じてます。ですからどこまで出来るかわかりませんが、他の管狐と連携して私たちで動ける部分だけ動いて、お知らせする事にいたします。それで勘弁していただけないでしょうか」
「こんのすけ、そうしたら、まず、刀剣たちが刀解されているかされていないか、もしされていなければどこへ匿われているか、出来れば本体はどこにあるのか、調べられるだけ調べて欲しい。本当に刀解されているなら、それはそれで俺たちは復讐は諦めるから」
「かしこまりました。審神者さまがたのあの姿を見た時は、さすがに私も…」
その時の様子を思い出したのか、こんのすけは小さなからだをぶるりと震わせ、それはいかに凄惨な状態だったのか想像させるものだった。