第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
「もっと早く刀解しておけば、主がつらい思いをする事はなかったのに、政府が表に出さないという事は、つまり審神者に対しての謝罪もないっていう事?」
かなりな怒りを抑え込みながら安定が、声を震わせて口を開いているのがわかる。
「表だってはそういう事になります」
こんのすけは安定の怒りの表情に怯えた様子を見せながらも、きっぱり肯定する。
「しかし今回被害を受けた審神者さまには、内密に政府より何らかのお話しはあるようです」
「話しってなんだよ…ふざけんな」
怒りが限界にきたのか、安定が床を拳で殴りつけ、その様子にこんのすけがびくりとからだを震わせた。
俺は安定に落ち着くように言い、こんのすけも早く終わらせたいのか問うてくる。
「他になにかありますか?」
堀川が言う。
「政府は勝手だよ。審神者に恥ずかしい思いをさせながら、自分たちの失態を結果として認めず、無かった事にするって対応なんだよね」
こんのすけはどうしようもなくなったのかうなだれる。
「…私にはお伝え出来る内容がもうありません」
「わかったよ、こんのすけ、もしかしたらまた何か聞くかもしれないけれど…ひとつ知りたい」
「なんでしょう、加州殿」
「本当に件の刀剣たちは刀解されたんだよね?刀解したと言いながら、実はやっぱり隠しているなんて、ない?」