第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
「その刀剣は全振り政府によって捕まり、政府能力者によって、有無を言わさず刀解しました」
刀解…一番聞きたくない事実だった。
そいつらは、俺がこの手で殺したかった。
一撃で死なないように、薄皮をはがすように痛めつけ、土方歳三が手を下して密偵にやった、生爪を一枚ずつはがし両手に五寸釘をうちつけ上から吊るす。
ああ、これくらいしたって良いだろう、やつらは俺の大切な主を凌辱したのだから。
それなのに。
復讐させる隙もなく、政府はやつらを刀解させてしまった。
「そんなコトが起きるまでに、だったらどうして刀解しておかなかった?」
和泉守が更にこんのすけに聞く。
「教育をし直していたのです。結界の中で、彼等をいちから教育し直し、ようやく態度を改められそうなところまできていたのです。ところが手のつけられない、教育の成果の全く出ない刀剣もおり、それが先導して今回の事を起こしました。なので政府も慎重に彼等を扱う事が出来なくなり、急いで全振り刀解しなくてはならなくなったのです」
こんのすけは一度言葉を切り、また続きを話した。
「刀剣たちはさすがに事態の重さを知り謝罪をしてきましたが、この事で審神者を辞退希望されてきたかたもいらっしゃり、政府は刀剣たちを刀解するしかありませんでした。そしてこの事は、おおごとであったにも関わらず、昨日いらした審神者さまがたの名誉に関わる事にもなりますので、一切表には出る事はありません」
「…つまりは俺たちは復讐する機会が永遠に無いって事なんだね」
安定が腕を組んで、怒った表情でこんのすけを見る。