第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
長曽祢がしごくまっとうな質問をし、俺は首を横に振る。
「とにかく情報が無いんだ。だから今からこんのすけを呼んで、あいつから知っている限りの事を教えてもらうつもりだ」
俺は主が唱える呪文を唱え、政府の使い魔である管狐のこんのすけを呼ぶ。
ぽんと軽い乾いた音がし、こんのすけが姿を見せる。
「おや、主さまはいかがなさいましたか?」
呼ばれたものの主が目の前におらず、こんのすけは目を丸くする。
「用が有るのは主じゃなくて、ここのぼくたち。悪いね」
にっこり笑う堀川が何故か怖く見える。
こんのすけも何故か怯えたような表情をしつつ言う。
「刀剣の皆様が、一体何のご用でしょう…」
俺たちはこんのすけを囲み、俺が口を開く。
「教えろ。昨日、政府で何かあっただろう?知らないとは言わせない」
こんのすけは勿論思い当たる事があるのだろう、質問した俺のほうを向いてじっと見た。
「加州殿はご存知なのですか」
こんのすけは俺に問い、俺は頷くと、こんのすけはふぅと息を吐いた。
「仕方ありません…これは主さまにはおっしゃっては困ります」
そう言ってこんのすけは話す。
政府には能力者が数人居り、普段は彼等によって強力な結界を張っている。