第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
彼等とは、新選組として一緒に戦ってきた、俺が一番信頼出来る彼等、だ。
いつものように朝が来、主は「やる事はやらないと」といつも通りの仕事を始める。
今日の近侍は俺ではなく堀川国広。
彼も細かいところに気のつくやつだから、伝えておけばいろいろ配慮出来るだろう。
俺は交代前のわずかな時間を縫って、彼等の部屋を訪れた。
「おう、朝早くからどうした」
声を掛けてきたのは和泉守兼定。
この部屋に来る前に、俺の相棒と言っていい大和守安定を呼んで、一緒に連れている。
「ちょっと話しがあって…良いかな」
安定が先に部屋へ入り、俺が入ると、俺は静かにきっちりと襖を閉めた。
「他の刀剣に聞かれたくないんだ。他言無用で頼む」
俺は昨夜知った事実を安定と和泉守の他、堀川と長曽祢虎徹に伝える。
話しを聞いた途端、安定が立ち上がる。
「今から政府へ行って、そいつらぶち殺す」
「ちょっと待て、俺たち五人では出来る事も限られる。他の審神者の刀剣にも話しを聞いて、日にちを決めて襲撃したほうが良い。そうすれば取りこぼす事なく、全員殺せるだろう」
俺が安定の袖を引っ張りながら言うと、渋々と俺の言葉が納得出来ない表情で座り込む。
「しかし…そこにいた女性審神者全員ねぇ…そうすると刀剣は相当数いたと思われるが、政府でその後押さえられたのか?」