第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
俺は静かに泣きじゃくる主の背中を撫でながら、どうやってその刀剣たちに復讐が出来るか、頭の中で最善の策を考え出していた。
まずは会場に居て同様に襲われた審神者の、近侍あたりに話しを聞きたいが、果たして主の知る審神者がそこに居たのか。
俺が泣き続ける主に、それでもさりげなさを装い、知っている審神者が居たか聞いてみると、居たと教えてくれる。
「近侍が今剣の子とか…挨拶しかしないけれど、すごい綺麗なおねえさん審神者とか…演練会場でよく見かける人たち、結構いたよ…」
「…そう…」
「加州くん…誰にも言わないで…お願い…私…汚くなって…」
とぎれとぎれに俺に懇願する主を、俺はちからいっぱい抱き締めて言う。
「…大丈夫、汚れてなんていないよ」
「加州くん…」
主のお願いには俺は返事をはっきりせず、そして、ぐずぐず鼻をすすりながら主は言う。
「お願い、一人が怖い…今日は…一緒に寝て欲しい…」
「うん、わかった。俺もじゃあ着替えてくるから、雅は…お湯を使っておいで」
「うん…あの…お風呂まで付いてきてもらって良いかな…」
怖がる主をなだめながらお湯を使わせる。
「着替えたら直接部屋に行っていてもいい?」
「…うん…お願い…」