第18章 ××しないと出られない部屋その2 〔薬研藤四郎/R15〕
「打刀とか短刀とか…そんなんじゃない。だけど…倫理感から…気になるんだってば」
「…何が言いたいんだ、大将?」
俺は大将の言っている意味がわからない。
「そりゃ刀としての年は、薬研くんが私よりうんと長いのは知ってるよ。でも見た目が幼いから…どうしても遠慮するんだよ…」
まだ、言っている意味がわからず、俺はまゆを寄せて大将を見つめる。
大将はまた俺に近付き、俺に口付けてくる。
「大将…」
唇が離れたところで俺は何故、大将が俺に口付けてくるのかわからず聞く。
「薬研くんは立派なおとこの人だよ。見た目こどもでも内面は違うの、わかってるから…」
「…だから口付けくらいは出来るって事か…」
俺は内心、やっぱりこどもに見られていて、自分から口付けてくる大将に、みくびられたもんだと思った。
「大将…」
俺は大将の片手をぐいと引っ張り、引っ張られて俺に倒れ込んでくるからだに片手を回し、そのまま床へ横たえる。
大将は何が起きたかわからない、といった表情で目をぱちくりさせている。
俺は顔の横に髪の毛がかかるのも構わず、大将を上から見おろす。
「大将…俺から、口付けてやるよ」
「や…げん、くん…」