第18章 ××しないと出られない部屋その2 〔薬研藤四郎/R15〕
「…」
無言になるって事はそうだって事だよな。
俺は面白くなく、両手を離して大将を解放して立ち上がった。
「もう、良い。ここで待っていればいつか誰か探しにくるだろ」
つっけんどんに言って俺は大将から離れたところへ移動し、壁に背を預けて座り込んだ。
俺の様子を無言で見ていた大将は、おずおずと俺に話し掛ける。
「あの…薬研くん…機嫌悪くした…?」
「…機嫌を悪くするも良くするも、どうしようもないだろうよ」
大将は俺の側へすぐに近寄ってきて、俺の手に自分の手を重ねてきた。
「ごめん、薬研くん、機嫌直して」
「悪くなんてしてない」
俺はむっとして言い返す。
「ほら、怒ってる。ね、薬研くん、こっち向いてよ」
大将が頼んでくるので、仕方がないから「なんだよ」と言いながらそちらを向いた。
すると。
大将の唇が俺の唇に瞬間、触れた。
「…大将…」
俺は今、起きた事が一瞬わからず、そして何が起きたか理解して、驚いて大将の顔を見つめた。