第18章 ××しないと出られない部屋その2 〔薬研藤四郎/R15〕
俺は言ってその紙を大将に渡すと、手にした大将はそれを読み、目を丸くした。
「え、え、え、えぇ…っ」
当然だろう、そこには時の政府からと分かる刻印がつけられていて、正式な命として出たものとわかるが、内容が出陣に関するものではなく『この部屋から出たければ、一緒にいる刀剣男士と審神者の間で、五分間の口付けをすること』となっていたからだ。
「俺は構わないぜ、大将?」
俺は両手を広げ、大将を迎えようとするが、大将は紙を片手でくしゃりと握り、大声で叫び出した。
「あの、政府のかた、これ聞こえてるでしょう?いくらなんでもこれはひどいんじゃないですか?短刀の子と審神者がキスだなんて、セクハラにもほどがあります!」
ああ、叫べば時の政府に聞こえると思っているんだろうな。
しっかし、俺とキスしたらセクハラって、俺の実年齢、いくつかわかってんのかねぇ、大将?
きゃんきゃん叫んでいる大将の腕を掴んで言う。
「言っても無駄だぜ、大将。それより、それ、しちまったほうがすぐ開くだろう?」
「でもっ、薬研くんとキス、だなんて…」
俺とは嫌だというのかねぇ、俺はその大将の発言に少しイラッとし、少し乱暴に大将の腕を更に引っ張り、バランスを崩した大将は俺のほうに倒れてくる。
俺は倒れる大将をうまく支え、そのまま二人で座りこむ体勢にもっていった。
「大将、俺とは嫌か?」
俺は間近く顔を寄せて聞くと、大将は「う」とつまったような顔をして、みるみる顔を赤くした。