第18章 ××しないと出られない部屋その2 〔薬研藤四郎/R15〕
「あれ?開かない?何、これ」
がたがたと引き戸を開けようとする大将に、俺は声を掛ける。
「どうした?」
「ねぇ、開かないの、これ。どうしちゃったんだろう。開けてもらって良い?」
「おう、任せろ」
俺は引き戸に近寄り、いつものように片手でひょいと開けようとした。
が、開かない。
両手で引いても足を使っても、やはり開かない。
「やだ、どうしよう。ねぇ、誰か、いない!?」
どんどんと引き戸を叩き、廊下に誰か居ないか大将が叫ぶが、あいにくこの部屋は本丸の隅にある物置として使用している。
だから用が無い者は近寄らないところだ。
「他の短刀の子たちが遊んでこちらに来てくれると良いのだけど…」
大将は不安そうに戸の前でうろうろするが、ふと、部屋の真ん中に紙が落ちているのに気付き、俺はそれを拾って読む…が、おいおいおい…
俺の様子に気付いた大将が声を掛けて近寄ってくる。
「それ、なあに?何が書いてあるの?」
「ここに落ちてた」