第17章 ××しないと出られない部屋その1 〔長曽祢虎徹/R18〕
「どうした…?」
先程俺が肩を抱いたらからだを固くしていたのに、この変わり方はどうしたのだろうか。
俺に抱き着く主を見下していると、顔を見せないようにしていた主がゆっくり顔をあげた。
俺を見上げる主の顔は、見た事のない、おんなの顔だった。
「…主…」
「…雅って呼んで」
潤んだ眼差しに頬もほんのり蒸気して、いつもは気にする事にない唇も今はぷるりと艶めいて見える。
俺はこくりと唾を呑み込み、名前を呼べと言った主を見つめていると、主は自分の衿元に手をやり、着ていた服のボタンを外しだした。
何か、変だ。
俺は落ちている紙をもう一度よく見ると、端に小さな字で記載があった。
『する気が起きるように、女人側に効く香を部屋に焚きしめています』
する気ってなんだよ、一体誰がこんな事をさせようとしているのかわからないが、女審神者と刀にセックスさせて誰が得をするってものなのか。
それにセックスしたかどうか、どうやってわかるのか、盗聴器でも仕掛けられているのだろうか、俺は服のボタンを外し服を脱ぎ出した主を仕方ないので放置し、目をつむって自分のちからを放出する。
だが盗聴器も香の位置も突き止められず、目を開けたら下着姿になったあられもない主が目の前に座っていた。
「…ん…」