第17章 ××しないと出られない部屋その1 〔長曽祢虎徹/R18〕
「うん…そうだね…」
落ち着かなさげに答えると、主はどうしようといった感じで部屋の中をあれこれ見たり、壁をとんとんと叩いたりし出した。
「どうした?」
「あ、うん…落ち着かなくて…壁を叩いたらどこかにレバーがあって、それを引いたら開くとか、そういうの無いかなって探してる」
俺は主の考えにぷはっと吹いて、そして座っている隣を指差した。
「そんな事してるとかえって疲れるぞ。俺の隣で座っていろ」
「…うん、じゃあ…失礼します」
俺の指差した隣に来て、ゆっくりと腰をおろした主の肩を俺は抱く。
「…あの…」
ぴくりとからだを強張らせる主にやり過ぎたかと気付く。
「あぁ、すまなかった。この部屋少し冷えるから、くっついたほうが暖がとれるだろう?」
「あ…あ…そういう…事でしたか…それなら…失礼します…」
理由がわかった主は、ほっとしたような様子で気持ち俺に近寄って座り直した。
「…確かにここは冷えるかもしれませんね」
少しして主がぽつりと言い、更に主から俺に抱き着いてきた。
「…寒いのか?」
俺が問うと顔を下に受けたまま、主はふるふると左右に頭を振った。