第15章 出陣の理由 〔山姥切国広/R18〕
当然だろう。
翌日、めいっぱい腰を痛めた雅は起き上がれず、更に俺が心配して近寄ったら「国広には当分近侍を頼まない」と怒っていた。
「…すまん。雅があんまり可愛い事を言うから、自我が保てなかった」
俺が正直に言うと、雅が横になったまま、まゆを寄せる。
「私、何か可愛い事、言った?」
「言った。俺にしてほしい、そして俺が欲しい、と言った。あれが引き金になった」
目をぐるぐると回して、ようやく言った事に気付いたのか、途端布団をかぶって顔を隠してしまった雅に俺が布団をはがすと、顔を赤くしてこちらを睨んでいた。
「あ…あれが引き金…」
「俺に、なんて言われたら、理性がとぶ」
俺は顔を近付けて雅の額にキスする。
「また俺を近侍にしたくなったらしてくれ。それまでは雅に近寄るのは、我慢する事にしよう。きっと俺はまた雅を押し倒したくなるだろうから」
優しく出来ずに乱暴にしてしまって、怒らせてしまったからな、俺は仕方ないと思って部屋を出ようと立ち上がる。
「…国広」
襖を開けて出ようとしたところで声を掛けられ、俺は襖に手を掛けたところで行動を止め、顔だけ後ろを向けた。
横になった雅が相変わらず赤い顔をして、こちらを見ていた。
「すごく雑用残しておくから、他の人には悪いから近侍をやってよ」