第15章 出陣の理由 〔山姥切国広/R18〕
「おつかれさまでした、皆さん、怪我はありませんか?」
戻ると雅が真っ先に出迎えてくれ、手入れ部屋へ行く必要が無いか聞いてくれるので今回はそこまでの怪我をした者が居ない旨伝え、薬研が小判を片付けに行ってくれた。
「報告をしたいのだが」
俺がまとった布の下から言うと、雅が妙に緊張した表情でお願いします、と答え二人で部屋へ向かった。
部屋へ入ると雅はパソコンの前に座り、キィをカタカタと鳴らし報告する画面を出し、俺はそれを待って報告をする。
何階まで行ったか、倒した敵の数、回収した小判の枚数、そして朝尊の罠によって捕らえた槍によって時間遡行軍が、何を目的として大阪城の地下へ来ていたのか。
詳細に報告をし、それを同時に入力していく雅の指のスピードの早さに圧倒される。
「以上だ」
ほぼ同時にたん、とキィを押し、報告書を時の政府へ送信したと思しい主の指の動きがわかる。
「ありがとうございます、おつかれさまでした」
俺は立ち上がり、被った布の下から小さく言った。
「今夜は眠らせない」
「…国広…」
目を見開き、俺の言葉に顔を赤くする雅。
「風呂に入ってくる」
俺は部屋から出ると、出陣の汚れを落としに風呂へ行き、服も着替えた。