第15章 出陣の理由 〔山姥切国広/R18〕
その姿は霊力を送る時の白い着物に緋袴という姿になっていた。
両手をこちらに出し、文言を唱えながらこちらにちからを送り込む。
清しい空気を感じ、俺たちがいつもよりちからを持つのを感じるとそれが止まる。
「お気をつけて、いってらっしゃいませ」
いつもの挨拶を受けて出陣するものの、大阪城の地下は何を具体的に調査するのか、誰もわかっていないのが正直なところだ。
とりあえず小判を見付けて回収し、現れる時間遡行軍を倒す。
「そういえばさ、遡行軍のやつら、ここで調査する具体的な理由を知っているのかな」
ふと一緒に隊を組んだ薬研藤四郎に言われ、じゃあ罠作って捕らえて聞いてみるか、となった。
ちょうど罠作りの得意な、最近この本丸にやってきた南海太郎朝尊がいるので、彼に頼むと快く引き受けてくれた。
「勿論喜んで作るとしよう」
大阪城の地下へ侵攻し、まず朝尊が罠を仕掛ける。
罠のあたりでうろうろしていると、時間遡行軍がこちらを見付けて向かってき、見事に罠にかかって捕らえられたのが一振り。
他のは当然俺たちでぶった斬り、捕らえたやつに目的を聞いてみるが、下っ端のやつらしく目的は知らず、ただ俺たちを潰すように言われているだけだった。
するとにっこり微笑みながら朝尊が、その遡行軍をぐさりと自分の刀で刺し殺した。
「全く使えないやつだったねぇ。次はわかってるやつを捕まえないといけないな」
その表情と行動の差に俺たちは内心驚く。