第15章 出陣の理由 〔山姥切国広/R18〕
主の細い肩を抱き締めたい。
主の細い腰を撫で、主の吐息を聞きたい。
主の唇はどんなに柔らかいのだろう。
主のからだはどれだけ甘いのだろう。
邪な考えが淫らに揺れ動くものの、俺は今はまだその時じゃない、と横を向いて言う。
「先に大阪城を調査しないとならないな…」
俺の言葉に主の全身がぴくりと反応したが、数瞬置いて主が言う。
「…わかりました…では国広を部隊長に任命しますので、貴方が必要な人を部隊へ組み込んでください」
「…わかった…主」
俺は主に近寄り、声を掛けるとこちらを見上げる主の顔が目に入る。
今にも泣きそうに見えるその顔に近付き、俺は軽く頬に口付ける。
「調査が終わったら…主、あんたをもらいにいく」
俺の言った事に主は目をぱちくりさせたものの、みるみるうちにまた顔を赤くした。
「国広…」
「隊員は決めているから、支度してすぐ出陣する」
「…私は出陣前に皆さんに霊力を送る準備をします」
「それは頼む」
俺は出陣する人選を発表しに部屋を出て用意をし、全員集合すると雅も顔を見せる。