第15章 出陣の理由 〔山姥切国広/R18〕
そう聞く主に俺は頷く。
「むしろ外してくれて構わない」
俺が怒るわけでもなく、淡々と答えたのに安心したのか、主はふわりと笑顔を見せる。
「じゃあ…今から敬語を外しますね」
そして顔を赤くして、もじもじとしながら俺を呼んだ。
「え…と、じゃあ、くに、ひろ…?」
何故疑問形なのかわからないが、「ああ」とそれに返事をする。
「は、恥ずかしい…ですね…その、何だか恋人を呼ぶみたいで」
そうは言うが、既に呼び捨てのやつもいるのだから、何故俺にだけ、そういうあからさまに恥ずかし気な態度を取るのだろう。
俺がそれを指摘すると益々主は赤くなり、涙目にまでなった。
「ううう…言わないと…だめ、ですか…」
また敬語に戻ってるな、と指摘は避けて無言で主を見つめる。
「うう…わかんないですか…私…国広の事が好きなんです…」
言われた内容が理解出来ず、数瞬置いてから言われた事がすとんと落ちる。
「…俺?」
「そ…そうです…」
俺に告白した主は横へ顔を向け、俺を直視しないようにしているが、細く息を吐いて俺がどうでるか待っているようにしか見えず、俺はつばを呑み込み瞬時に考える。