第13章 いたずらから知る愛 〔和泉守兼定/R18〕
俺の言葉に目を見開いてじっと見つめる主。
「…う…うそ…でしょう…」
震える声で問う主に、俺はいたずらが過ぎたかと再度雅をそっと抱き締める。
「こんな状況で嘘は言わないぜ」
「…っ私も、和泉守が好き…」
ずいぶん簡単に堕とせるもんだ、と思っていたら、今、自分の意に反した言葉が主から聞かれた。
俺が好き…?ちょっと待て…?それじゃあ俺たちは互いに好きあっているってやつか?
「主…今、何て言った?」
驚いて、つい、同じ事を聞いてしまう。
「…だからっ」
真っ赤な顔で俺を見上げ、涙を溜めた眼差しで俺を射抜く。
「…和泉守が好きだってば…」
まさか、互いに好きあっていたのか…ああ、こりゃもう俺は止められないな。
「何回でも言ってやる、俺もだ、主…いや雅」
抱き締めているからだをゆっくりとその場に横たえる。
「途中で止めろと言われても止まらねぇからな」
俺は深く笑みを浮かべ、もう一度口付けをする。
俺の目に映る雅は、既にうっとりと俺を見つめるだけだった。