• テキストサイズ

刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第13章 いたずらから知る愛 〔和泉守兼定/R18〕


「…ん…ぁ…」

いつもの乱暴な言葉とは違って、俺は優しく口付けする。

ああ、俺の刀の主の土方歳三が、遊郭でそれなりにおんなを相手にしているのを見てきたからな、おんなには優しくするのが良いって事は知ってるぜ。

唇を触れあうだけの口付け。

そういや土方さん、睦言でおんなを蕩かすのがうまかったよなぁ。

俺は土方さんのその時の行為を思い出しながら口付けを繰り返し、片手で雅のからだをなぞる。

わざと敏感に反応するところへは触れず、あくまでからだの線を手のひらで撫でてゆく。

「…ふぅ…」

口付けの合間に雅の小さな吐息が漏れてくるが、おとこをそそるようないつもとは違う甘い色を含んだ声だ。

この甘い声に俺も自分の理性が飛びそうだ、いや、既にもう飛んでしまっているのか。

ところが、俺は唇を離し、顔を赤くして息を少し荒げる雅にわざと言った。

「すまん、主が可愛くてついこんな事をしてしまった。忘れてくれ」

すると雅は涙を目にためて言う。

「ひどい…こんな事して途中で止めて…私はおもちゃじゃない…」

思った通りの言葉が戻ってき、俺は自分の言いたい事を重ねる。

「言葉が足りなくて悪い。俺は主が可愛くて他のやつらに渡したくない。だから一時の戯れで主に触れたくない。主、あんたの全てを俺のものにしたい…俺は主が好きだ」
/ 790ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp