第12章 相容れぬ世界 〔斬鉄剣/R18〕
「他にも食べたいもの、ある?」
「じゃあね、あれとあれ」
「はいはい」
乱のあれこれ指したものをよそう雅に、他の短刀たちも皿を持って集まってくる。
「俺も欲しいー」
「ぼくにもください」
「はいはい、順番だからね、ちょっと待ってね」
「主殿は人気者なのでござるな」
短刀のお皿に順番によそう姿を見て、斬鉄剣は納得したように言った。
「斬鉄剣殿は呑めるのか?」
横から斬鉄剣におちょこが突き出され、おちょこを受け取ると斬鉄剣に酒が注がれる。
「呑んだ事がないのでわからないでござるが…いただくでござる」
おちょこの酒を一気に飲み干す斬鉄剣に、周囲からおお、と驚きの声があがる。
「大丈夫か?」
「大丈夫でござる」
「よし、じゃあ俺からも」
そう言って他の男士からも注がれ、それも一気に飲み干す。
料理を短刀によそっていた雅が、気付かないうちにこれが繰り返されていた。