第2章 素直な気持ち
「そういえば、なんて名前なの??」
「祥汰。そっちは?」バクバクと食べる姿は子供みたいで微笑ましい。
「私は、名無しっていうの。よろしくね。」
「あー。うん。よろしく。…。なんかあっちすげー盛り上がってるけど。」祥汰君が指さす方へ目を向けると、一気のみ大会になっていた。ゆいさんが笑いながら制止しているが構わず飲み比べ大会となっている。
「あんた、顔すでに赤いけど、もしかしてすっげー弱い?」
「うん。ちょっとね。でも、ゆっくり飲むから大丈夫。」
「…。それ。ちょーだい。俺飲むから。」そう言うと私がなかなか手を付けていなかったビールを飲み干した。
「え…。ありがとう…。」
「別に。俺、酒強いから。あ、すんません。ウーロン茶ひとるください。」
店員さんが運んできたウーロン茶をビールの代わりに頼んでくれた。
「なんだ。祥汰くんって優しいんだねー。びっくり。」
「びっくりって失礼だし。まあ、自分でも人見知り激しいって自覚してっけどね。あんたはすげーよな。」
「なんで?」
「だって。自分の彼氏の元カノとよく旅行いけんよな。嫌な顔ひとつしねーし。」
「…。それって、祥汰くんも同じじゃない笑」
「俺は、見ての通り態度にでちゃうし。」
「ねえ。お酒強いんでしょ??」
「え?ああ。まあ。」
「はーーーい!祥汰くんが参加したいって!ほら、あっちで飲み比べしてきて!」
「ちょ、まじかよ。やだよ。」
「お!早くこっち来いよ!俺が倒してやる!」
「えー。めんどい。。。」
「隆二もお酒かなり強いよ。だから、勝ったら。ゆいさんも見直してくれるかもよ。」祥汰くんに後押しをした。
「くそー。行ってくる。」
「がんばれ!」
「おーーし。俺がまず相手だ!」桃地くんと飲み比べをしたが、あっさりと勝つ祥汰くん。
「あはは。祥汰すっげー!つえーじゃん!おーーし次は、我らが大酒豪の隆二いけ!」
「俺、まじでまけねーよ。」
隆二の顔が本気になっている。
「俺も負けねーし。」
二人とも豪語するだけあって、日本酒をぐびぐびいくがどちらも引かない。
「はあ。はあ。やるじゃん。お前。」隆二は顔が赤い。
「そっちもな。」