• テキストサイズ

TURNING BACK

第2章 素直な気持ち


「んー。気にならないって言えば嘘になるかな。」

…。隆二って本当に素直。そこが好きなんだけど、時々嘘をついてほしくなる時がある。

「しかも、あの男ちゃらそうだし。大切にされてなさげだしなぁ。」私の気持ちも知ってか知らずかブツブツ言っている。


「そんなに心配なら、隆二がもう一度大切にしてあげれば?」



いい加減嫌気がさした私は思わずこんな事を言ってしまった。私の、悪い所。思ってもない事を言ってしまう。


「…。おまえ、それまじで言ってるの?」隆二の表情がみるみる変わっていった。

どうやら地雷をふんだみたい。
引けなくなった私。


「だって、最近よく口ずさんでるじゃない。昔の恋人と戻りたいって内容の曲。」

「別に、深い意味はねーよ。」

「じゃあ、無意識なんだ。戻りたいって。」

「お前。いい加減怒るぞ。俺が、どんな気持ちでプロポーズしたと思ってるんだよ。指輪、またしてねーし。したくねーなら捨てちまえよ。」

「したくない訳じゃないもん。」

「じゃあ、なんだよ。お前こそ、テツヤさんの事まだ引きずってんじゃねえの?」

「…。最低。」頭に血が上った私は部屋を出る。

「どこ行くんだよ。」隆二に腕をつかまれる。

「まだ時間あるし、一緒にいたくないから温泉に行ってくる。」

「勝手にしろ…。」
手を振りほどくと、隆二はまた畳の上に寝転んだ。




/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp