• テキストサイズ

とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第14章 魔女と空白


宮野明美side



全ては
大切なものを守るために…






10億円強奪計画を実行するその日が
いよいよ明日に迫った


私は妹と組織を抜けるために
そして
大切な人との未来のために


「必ずやり遂げてみせる!」




とは心に誓ったものの
やはり
不安がよぎる


上手くできるだろうか
上手く出来たとしても
妹と共に組織を抜ける事ができるだろうか


もしもの時のために
念には念を入れて準備はしている

それでも100%の自信があるわけではない
「大丈夫、私ならきっと…」

あぁ…こんな時にあの人が…
大君が…
そばに居てくれたら…

「ダメっ!!頼っちゃダメよ!!」

とある公園のベンチに座り
百面相しながら私は自分の頬を両手で叩き
甘い考えを振り払う
今回は私が頑張らないといけない
「そぅ、私達の未来のために!!」


『…さっきから誰と話をしているんだ?』

「え?」 

いきなり目の前で声がした
女の人の声…
人の気配はなかったはずなのに…
もしかして
警察?組織の人間?
そんな事を思いながら恐る恐る顔を上げると
金色の瞳が私を覗いていた


『独り言だったのか?』


初めて会う何者かも分からない綺麗な人に
無意識の恥ずかしい独り言を聞かれてしまった…
どうしよう
何をどうする訳でもないのに
そう考えれば考えるほど顔中に熱が集まる



目を合わせたまま恥ずかしさのあまり動けないでいると
彼女がさらにじっと見つめてくる
恥ずかしさだけではなく、この瞳に見つめられると
なぜだろう…動けない


『お前は……』


「お、お恥ずかしいところを見せてしまってごめんなさい」


一瞬、金色が揺らいだ感じがして彼女に隙ができた時
やっとの思いで話すことができた


『いや、大丈夫だ。こちらこそ急に声をかけて申し訳ない』

「いいえ、とんでもない…私がこんなところで…」

『人間、独り言くらい当たり前だろう。それよりも、私はお前の迷いか…いや…不安か?そっちの方が気になった』

「え?なんで…」

わかるの?そう続けたかった
そんなに分かりやすい表情をしていたのか
それとも声に出ていたのかな…
/ 88ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp