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とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第14章 魔女と空白



退屈は人を殺 す

とはよく言ったものだ


あれから長い月日が経った
あの日からジンとウォッカ
たまにベルモットからの監視付き自宅待機


彼ら曰く、あの人からの命令らしい



しかし、私にあの人が言ったのは


少しばかり君を自由にさせ過ぎたようだ
どうか
安全な所にいて欲しい


なんて
もっともらしい事だった。




目隠しをされて連れてこられた
場所すら分からない自宅に
何年ほどになるだろうか


欲しいものは全て届く
不自由のない退屈な生活


たまにベルモットが外に連れ出してくれるが
行動範囲は限られているし
単独で動く事は禁止されている


少しは刺激のある毎日を過ごしたいものだ


赤井や零はどうしているのだろうか




このままでは
この部屋に身体が溶けてしまいそうだ






































そんなある日
ジンとウォッカ、ベルモット
そして
あの人しか登録されていない電話から呼び出し音が聞こえてきた





それは


待ち望んでいたあの人からのコールだった




『久しぶりだな』

『あぁ、もぅ我慢の限界だ』

『ありがとう、その言葉を待っていた』



短い言葉を交わしただけで
あっけなくこの退屈な日々の終わりが告げられた


『と言うわけだジン。私は外へ行くぞ』


こっちを監視しているであろうジンへ一言放ち
単独行動を開始するために動き出す


鎖を解き放たれたような
そんな感覚がある



早速、外に出てみようか



そっと窓を開けた
季節は冬のようだ


さっとコートを羽織り
部屋の外へ繰り出す


ひんやりとした新鮮な空気
都合が良いことに灰色の曇り空が広がり
太陽は完全に隠れていた


絶好の徘徊日和というものか
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