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とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第13章 魔女と賭け


見慣れた天井
この部屋ではいつも
孤独に迎える目覚め

だが、この日だけは

隣に温もりがある

悪くはない
むしろ心地良い温もりだ

ただ、しばらくはこの温もりから離れることになるだろう。



『起きているなら目を開けたらどうだ?』

「バレていたか」

『当たり前だ』


昨夜はあれから
私の自宅へ行き
玄関の扉を開けると同時に雪崩れ込むように行為に至った。


濃厚な口付けと抱擁


まるで愛し合う者同士の行為のようだった。


そして現在も
互いに顔を近付け合いながら微笑み
指や脚を絡ませている



『ふふっ、やめろ赤井。この状況、私には甘過ぎる』


「なぜだ?良いじゃないか」



我慢できず、ついに身体を離してしまった。
名残り惜しそうな赤井の腕が伸びる。


『お前の恋人が見たら泣くぞ?』

「知っているのか?」

『私はなんでも知っている、お前の事は手に取るように分かるぞ?』


言葉と共に交差する視線が何かを探り合っているようだった。
これは流石に意地が悪かったかと思いはしたが
彼を牽制するには丁度良い。

何も掴むことが出来ず彷徨っている赤井の手を取り、その甲にキスを落とした。
悪戯な笑みを浮かべた後
射抜くような瞳で見つめ
そして
これが最後になるであろう赤井へのリップサービスをしてやる


『分かってはいるだろうが今回の件、失敗すれば愛する者をお前は失う。自分の命か、仲間の命か、思い当たるであろう愛する者の命だ。今のうちに忠告しておいてやろう。共に実行する仲間にも伝えておけ。〝余計な事はするな〟それだけだ』


「肝に銘じておく」


私の助言を聞く赤井は
正義を貫く者の目をしていた。
これが赤井秀一という男の本質というものか
悪くはない。




しかし
あぁ、余計な事をしてしまった。
この時代に生きているはずのない
イレギュラーな存在が
干渉してはいけないものに触れてしまったようだ。
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