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とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第10章   魔女と炎


※火災の描写があります。




意識はすぐに戻った。
しかし
まだ、目は閉じている。

この状況で
どう殺 すか…

武器はない。
窓がない密室で出入り口は1つ
床は絨毯
体が少し沈むほど毛が立っている


空気は乾燥し湿気はほとんどない
揺れる蝋燭

方法は1つしかないじゃないか…

これは私も痛い目に会いそうだが
仕方がない。

ゆっくりと立ち上がると
男は手を叩き拍手を私に送った

「魔女だ!噂は本当だった!!不老不死の魔女だ!!」

現代の言葉で言うとムカつくほどの高笑いだ
耳障りにも程がなる。

「私と共にロシアへ来なさい。権力、金、なんでも好きなものを与えてあげましょう!!」

男は興奮し両手を広げ私を呼び込む

『私を利用するやつは、必ずそう言うんだよ。権力だの金だの、そんなものに興味はない』

おとこに近づきながら
机の上にあった蝋燭が3本立っているキャンドルスタンドを手に持ち
そのまま、床へ落とした。


乾燥した空気
毛の長い絨毯のおかげで
瞬く間に炎が部屋中へと広がる。

「なっ、何を!?」

『屑以下の貴様には最高の最期だと思うぞ?』

必死に助けを呼ぶ男
しかし、出入口を塞ぐように私が立っているため
外には出られない。

『さぁ、一緒に数えようではないか。地獄へのカウントダウンを』

咳き込みながら外にいる部下を呼んでいる

煙が充満し
火の海と化した室内

酸素が薄くなってきた
異変に気付いた外の部下が扉を開ける

バカな奴だ
そんな事をしたら…

爆発音と共に
凄まじい勢いで炎が燃え広がる

バックドラフト現象

まるで
地獄絵図だ。

火災報知器のベルが鳴っている
皮膚が焼けただれては再生し
一酸化炭素中毒で死んでは生き返りを繰り返しながら

壁伝いに歩く

身体中が煤で真っ黒だ。

そういえば
ベルモットとバーボンは上手く逃げただろうか…
あの2人のことだ、きっと上手くやっている。

足元がおぼつかない…
少し無理をしてしまったようだ…

さすがに、これは意識が続かない…
目も霞んできた…
ダメだ…倒れる…

ん?おかしい、倒れたはずなのに衝撃が柔らかだ。

声が聞こえる
『ーーーーーッ!!』


誰だ?何と言っている?

『アイリッシュッ!!』


バカめ…
命令を無視したな…零

私の記憶はそこで途切れた。
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