第9章 魔女と魔女
あの人との繋がりがあるのは自分だけだと思っていた…
でも
それは間違いだった。
あの人の側にはいつも魔女がいた。
美しく、孤独な魔女。
彼女のコードネームはアイリッシュ。
その本名は誰も知らない。
組織に属すと
必ずと言っていいほど隣には彼女がいた。
私がこの地位を築き上げることができたのは
彼女のおかげかもしれない。
彼女は全て完璧だった。
見よう見まねで彼女を追い
いつか必ず彼女を追い越そうと
必死に腕を磨いた。
そんな私の思いを知ってか知らずか
彼女はいつも隣で微笑んでいた。
あの人との関係を聞いた時も
呆れたように笑って答えた。
あの人と私はなんの繋がりもない。
あるとするなら、絡まる蔦だ。と
それなら…
私との関係は…?
私は貴女のChild?Friend?Sister?Pupil?
私はどれもなりたくない
私は貴女の The best treasureになりたい。
変かしら?
それでも
私は貴女の1番になりたい。
『おぃ、ベルモット?』
「ごめんなさい、アイリッシュ。少し考え事よ」
貴女の事を考えていたなんて言ったら
アイリッシュ…
貴女はどんな顔をしてくれるのかしら?