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とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第7章   魔女と紳士



嘘をつく人間は

目と仕草をみればすぐに分かる。


では、真実を語る人間は

どこを、みれば分かるか。




最上階の部屋
扉を開けると豪華な広い空間が広がる
夜景が望める大きな窓の側にテーブルとソファ

テーブルの上には2つのワイングラスと
5大シャトーのひとつシャトー・ラフィット・ロートシルト
その当たり年とも言われる1982年物が静かに並んでいた。


『ジンにしてはなかなか良い準備だな』

世界でもそう簡単には手に入る代物ではない
よくこんなものを用意できたなと少し感心してしまう

「フッ、お前に口を割ってもらうための準備だ」

ジンはニヤリと笑いワインのコルクを抜いた。
注がれる赤い液体。
芳醇な香り
さすが、王のワインと呼ばれるだけある。

『酒の力を借りるなんて、卑怯な男だな』

渡されたグラスを持ち上げ
こちらも微笑んで見せた。

「魔女様相手には丁度いいだろぅ」

グラスとグラスが合わさる音
口へ運ぶと繊細かつ優美な香りと味わいが広がる。

『美味しい…』

私の舌は正直で
感じたことはすぐに言葉にしてしまう。
しばらくその味わいを楽しんでいると
ジンの雰囲気が変わった。
どうやら、私を呼び出した本題に入るようだ。
ピンと張り詰めた空気。
ジンの方に視線を向けると彼は口を開いた。

「お前はもう分かっているだろうが、組織の中に裏切り者がいる。知らないとは言わせねぇーぜ?」

『あぁ、分かってるさ。ただ、こちらが動くには早過ぎる』


ライ、スコッチ…そして、バーボン
スコッチとバーボンに関しては顔すら見た事はないが
今、組織の中で疑われているのは知っている。

「俺としては早く始末して『始末して?』

ライ…赤井の顔が頭を過ぎった。
本能なのだろうか、不意に言葉を被せジンに詰め寄る。

『殺 るのは簡単だ。別に急ぐ必要はないと私は思うが?』

「疑わしきは罰する。それが俺のやり方だ」

『ほぉ、では私も罰せられるのか?』

「もちろんだ。他の男の匂いを…今すぐ消してやる」

私の唇に噛み付くジン
飢えた獣だ。

息も出来ないほどの激しい口付け。
酸欠で頭がフラつく

『はぁっ、ジン…息が…』

「させねぇーよ」

ソファに体を押し倒され
そのまま、私の両手をジンの片手によって拘束された。


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本能と欲望

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