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とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第7章   魔女と紳士




たまに

少し大胆な格好をしたくなる

たまに

化粧が派手になることがある


その理由はと聞かれたら
こう答える

隠したい物があるからだ。と




ジンからの呼び出しのおかげで
また、服を着替えることになったし
化粧も少し濃くすることになった

よりによって
国内1・2を争う高級ホテルを指定してくるなんて
こちらだってそれなりにマナーを守らないといけない

珍しく思い、装いを新たにした。



黒のロングドレス
よく見ると生地に模様が入っている
ところどころキラリと光るスワロフスキー
裾の片方には太ももの付け根まであるスリット
少し高めのヒール
こちらは真っ赤だ

我ながら良いセンスだと思う。

髪をアップにして
前髪を少し垂らす。

唇には赤を引いた。


黒と赤と私の白い肌
何かを物語っているような三色だ。



ふと、時計を見ると良い時間だ。
外は暗くなりかけている。
最後に黒の小さなクラッチバックを持つ

私は愛車を飛ばし
指定されたホテルへ向かった。



ホテルの入り口に立つとドアマンが扉を開ける。



そして
確認した。

いつもの組織での格好ではなく
しっかりとスーツを着込んだジン
黙って立っていれば誰もが振り返るであろう見た目だ。
降ろされている長い髪が黒いスーツによってより映える。



『待たせたな』

「遅刻の癖は相変わらずだな」

『待たせられた方が楽しみが増すだろ?』


ジンは不服そうに鼻を鳴らすと私の手を引く。
組織の枠を外れたらまさに見た目は紳士である。
しかし、彼から発せられるオーラはイバラの如く鋭い物。


すれ違った人間たちは
ヒッ…と小さな声を上げ一歩下がる。



『機嫌が悪いな?』

「お前から他の男のニオイがするぜ?」

『ほぉ、お前はいつから犬になった?』

「気づかないとでも思ったか?」

『そうだ。とでも言って欲しいのか?』



お互いの顔を見ず
正面を向いたまま交わされる会話。
質問を質問で返す。
あからさまな探り合い。


ジンめ、意外とお前も人間だな。
と私は自分の中だけで呟いた。



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