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とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第6章   魔女と名前






その時代の流行の名前


その国の伝統的な名前


いろんな思いが込められた名前



私の名前は・・・・・




『今の名前ならちゃんとあるぞ』



赤井があきらめ掛けていた時
まさかの言葉を口にしたのはアイリッシュだった。



「今の名前と言うのは・・・コードネーム以外の名前か?」



今の名前がコードネームの【アイリッシュ】だ。
とでも言うのではないかと赤井は目を細める。



『いや、ちゃんとした名だ。気に入っている』


誇らしげな表情のアイリッシュ
どうやら気に入っているのは確かなようだ。



『咲哉』



「咲哉?」



咲哉と言われた名前を赤井が確認するように繰り返す。





『良い名だろ?この国の少年に貰ったんだ』




「そうだな・・・」



確かに、彼女に似合う美しい名前だ。
しかし、どこか悔しさが赤井の心に残る。


「では、今の苗字・・・いわゆる姓は?」


自分が知らない人間から貰った名前を気に入り
ニコニコと自慢げに語る咲哉を見て
相手は少年だというのについ嫉妬してしまった赤井は
自分らしくないと感じながら質問を重ねる。


『それは持っていない。日本に居る間はあった方が何かと便利だとは思っているが・・・・』


「綾波」


『ん?』


「日本に居る間はこの姓を使ったらいい」



『綾波か・・・・良い響きだ。私には勿体無いくらいの名前ができたな』



嬉しそうに何度も自分の名を口にする咲哉
少年に大人気なく嫉妬した赤井はため息を漏らすも
喜ぶ咲哉の姿に笑みを零した。



『赤井。ありがとう』



「あぁ」




優しい時間だった。

世の中が全て平和だと錯覚してしまうくらいの



優しい時間。





ずっとこの時が続くことはないと分かっていても


ずっとこの時が続くように願ってしまうほど





しかし

そんな時は






すぐに過ぎ去ってしまう

すぐに終わってしまう




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魔女と名前     ②貰った姓名





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